過去に一度補修された現場だったのですが、大雨等の影響で再び崩れてしまい、弊社で修繕をさせて頂くことになりました。
現場を確認した際に、補修した箇所の下段が流れてしまっていたので、下記のような施工方針を考えました。
1)下段に根固めとしてのカゴ枠を設置して安定を図ること
2)法面からの湧水も考えられるため、湧水を受ける仕掛けを設けること
3)現場に元々設置してあったボトルユニット(袋詰め石)を再利用すること
4)上部の安定を図るために埋設板柵や法面保護を実施すること
カゴ枠で上まで工事をすると費用が掛かり過ぎてしまいますので、
既存のボトルユニットを再利用し、上部は板柵と保護工で最小限の工事をするように心がけました。
施工状況
法面が流されないように根固めとしてカゴ枠を設置しています。
また、ずれ止めとして松杭も併用しています。
既存法面からの土砂流出も防止するために、吸い出し防止マットを設置しています。
吸出し防止マットの効果で湧水だけが安定してカゴ枠に抜けていきますし、1本新たに暗渠も追加をしています。
また、カゴ枠は安定しているので、このように多段積みをしていくことができます。
上部の板柵は、埋設とすることで長持ちしますし、表面に出ないので維持管理の邪魔になることもありません。
写真下部に見えている袋玉石は、現場にあったものを再利用しています。
まずは、このように法面が崩れてしまった要因を想定すること。
そして、過去の様々な経験を活かし、施工性や経済性も踏まえて対策工法を提案をしていくことが大切だと考えています。